福祉・障害者問題
転換期の医療福祉-難病・公害病・被爆者問題などへの新たな挑戦-
- ISBN4-88416-140-8
- B5判 166ページ
- 2005年刊
日本の医療は今、大きく変わろうとしている。2004年議論となった混合診療導入の動きもその一つである。保健・医療・福祉を取り巻く昨今の状況が、とりわけ多くの課題を抱えた患者の生活にいかに現れるかを検証し、医療福祉政策がいかにあるべきかを提言する。当事者の声をくみ上げ、寄り添う姿勢に貫かれた一冊。学生、現場従事者に贈る。
※品切れ・重版未定です
《もくじ/執筆者》
第1章 医療保障の確立とそこでの自己決定権
和田 謙一郎(四天王寺国際仏教大学人文社会学部、大阪体育大
学)
第1節 医療保障の根拠など
第2節「インフォームドコンセント」から「インフォームドチョイス」へ
第3節 医療パターナリズムの否定と自己決定権の尊重
第2章 難病問題と医療福祉
梓川 一(千里金蘭大学人間社会学部)
第1節 難病と難病問題の理解
第2節 難病者の生活
第3節 難病問題と主要な要因
●column● 難病者の人生の意味
第3章 結核問題と医療福祉
行貞 伸二(大阪体育大学健康福祉学部、園田学園女子大学/社
会福祉士)
第1節 現在の結核問題
第2節 日本における結核対策と福祉専門職の役割
第3節 結核問題における医療福祉の課題
第4章 公害病患者と医療福祉
牧 洋子(日本福祉大学社会福祉学部)
第1節 公害病患者とは
第2節 公害問題とは何か
第3節 現在の公害病患者について
第5章 原子爆弾被爆者と医療福祉
和田 謙一郎
第1節 被爆者の素朴な「思い」と「語り」
第2節 その実態を知る医療関係者・知らない医療関係者
第3節 被爆者に対する制度・政策の現状
第4節 被爆者の「今と未来」を援助させてもらう
●column● 未来への挑戦
第6章 高齢者医療と福祉
坂本 毅啓(大阪健康福祉短期大学)
第1節 高齢者を取り巻く問題
第2節 高齢者と医療サービスの展開
第3節 高齢者における医療保障と医療福祉
第7章 障害(児)者医療と福祉
第1節 障害児医療
久保 志麻(大阪大学歯学部附属病院障害者歯科治療部研修登録
医/歯科医師、社会福祉士、ヘルパー2級)
●column● 私の想い
第2節 障害者医療と福祉
福島 知子(吉備国際大学社会福祉学部)
第8章 退院計画・援助のあり方
第1節 社会復帰へ
渡鍋 宏史(社会福祉法人田熊会 ケアハウス田園(大阪府泉南市)
介護支援専門員、佛教大学・大阪体育大学)
第2節 重度障害者への援助
梓川 一
第3節 他施設への入所についての援助
渡鍋 宏史
第9章 医療的処置における自己決定 ―筋萎縮性側策硬化症(ALS)患者への支援―
隅田 好美(新潟大学歯学部(口腔生命福祉学科)/歯科衛生士、
社会福祉士、介護支援専門員)
第1節 はじめに
第2節 ALSを取り巻く療養環境
第3節 ALS患者への支援
第10章 医療福祉従事者の今後
熊谷 忠和(川崎医療福祉大学医療福祉学部)
第1節 MSW発展の歴史
第2節 MSWの現状
第3節 MSWの課題
【編者略歴】
牧 洋子(まき ようこ)
日本福祉大学社会福祉学部教授
1945年生まれ。同志社大学文学部(社会福祉学専攻)卒業後MSWとして勤務。その後龍谷大学大学院文学研究科(社会福祉学専攻)を修了し、1992年より専門学校や大学にて介護福祉士・社会福祉士養成教育に従事する。
専門領域/ソーシャルワーク論、医療福祉論
主な著書/『事例から学ぶ医療福祉相談』共編著(せせらぎ出版、2002年)『ケアマネージャーの挑戦』共編著(せせらぎ出版、2003年)『ソーシャルワークの技能』共著(ミネルヴァ書房、2004年)、その他。
和田 謙一郎(わだ けんいちろう)
四天王寺国際仏教大学人文社会学部助教授、大阪体育大学非常勤講師
1963年生まれ。大東文化大学法学部卒業、大東文化大学大学院法学研究科修士課程修了。民間企業等勤務と兼ねて、専門学校、大学、短期大学で非常勤講師を務める。法学、社会保障論(社会保障法)、公的扶助論等を担当。2001年4月より近畿大学豊岡短期大学助教授。2002年4月より現職(本務校)。
主な著書/『介護支援専門員になろう!』共監著(PHP研究所、1999年)『社会福祉選書 法学』共著(建帛社、2003年)『介護福祉士選書 新版老人福祉論』共編著(建帛社、2004年)、その他。