教育・子育て
造形遊びの相互行為分析
- ISBN978-4-88416-170-5
- B5判 110ページ
- 2007年12月刊
「本書で紹介した子どもの相互行為分析の事例(活動題名『山のものと海のものはともだち』)は、大学院での研究のなかで取り組んだものであり、この時の子どもたちの生き生きとした動きは、私の身体に新しい〈痕跡〉をのこすとともに、教師としての私をつくりかえるものであったと思います」(「はじめに」より)
《もくじ》
はじめに
1 現象学的態度によるアプローチ
相互行為分析という方法と臨床的態度
分析で用いた記号等
2 子どもの身体性と表現世界
(1)〈子ども-私〉の成り立ちを可能にする造形遊び(学習活動案)
① 活動題名
② 学習活動のあらまし
③ 学習活動の展開(90分)
(2)活動題名『山のものと海のものはともだち』(3年)の活動の実際
① 音にかかわり合う身体性
② 身体性の働きと相互作用
③ 身体性の〈痕跡〉と相互生成の過程
④ 〈意味〉の相互生成、相互交流と身体性の広がり
3 〈能動-受動〉性による学びの成り立ち
(1)社会的対象を共有する〈子ども-私〉の成り立ち
(2)あいだと自己自身の差異化
(3)身体の行為性の組み替えと新しい〈私〉
4 新しい〈私〉をつくり続ける学び
(1)検証の計画
① 活動題名
② 実践研究の目的、及びこの学習活動
③ 学習活動の展開(90分×2回)
(2)活動題名『材料とともだちになったら、新しいすてきな〈ともだち〉が』(4年)の活動の実際
① 〈見る〉行為という表現
② アフォーダンスと身体性
③ 〈状況・状態-意味〉と相互作用
④ 〈内〉の成り立ちと〈外〉の成り立ちの相互作用
5 〈子ども-私〉の成り立ちを保障する教育の課題
(1)〈内なる他者〉の立ち上がり
(2)〈内なる他者〉の在りよう
(3)〈内なる他者〉が開かれる教育
① 身体性と〈内なる他者〉
② 〈他者〉と〈内なる他者〉
③ 学び合いと〈内なる他者〉
6 子どもがつくりだす〈社会〉
(1)子どもがつくる〈社会〉をめざして(学習活動案)
① 活動題名
② 学習活動のあらまし
③ 活動の展開
(2)相互作用・相互行為によって生成する〈社会〉
(3)更新し続ける〈社会〉のなかの〈私〉
① 〈他者〉の態度の取得と社会的な〈私〉
② 〈私〉と社会的な〈私〉の二重性
③ 新しい〈社会〉のなかの〈私〉
7 意味生成カウンセリングと造形遊び
(1)〈私〉への肯定的な感情のもたらし
(2)ともに生きられる場所
(3)本源的共同性の開かれと意味生成カウンセリング
(4)教育の基本原理となる意味生成カウンセリング
補注
資料:相互行為分析 活動題名『山のものと海のものはともだち』(3年)
おわりに
【著者略歴】
北澤 晃(きたざわ あきら)
1959年 長野県に生まれる
都留文科大学卒業後、長野県において23年間小学校・中学校の教員を務める
2000年 上越教育大学大学院学校教育研究科修了
2006年 博士(学校教育学)・兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科
現 在 富山福祉短期大学学長・社会福祉学科教授