教育・子育て
ホリスティック臨床教育学-教育・心理療法・スピリチュアリティ-
- ISBN4-88416-138-6
- A5判 292ページ
- 2005年刊
▲画像1――2005年7月11日付 日本教育新聞掲載
「スピリチュアリティ」を核に教育と心理療法の統合を目指す。魂、ケア、身体、感情、瞑想、教師教育など、これまでの教育の枠を越えたアプローチで、ホリスティックな臨床教育学を構築。存在の深みへの一途な関心と、実際的な技法への広い視野。この分野で10年以上の研鑽を積んできた著者による待望のテキスト、ついに誕生。
《もくじ》
第Ⅰ部 ホリスティック臨床教育学の理論
第1章 ホリスティック臨床教育学がめざすもの
教育と心理療法とスピリチュアリティの統合へ向けて
1 教育と心理療法とスピリチュアリティ/2 人間存在の五つの次元
/3 ホリスティックな人間観の必要性/4 変容の技法/5 ホリス
ティック臨床教育学の四つの視点/補遺 ホリスティック教育とは何
か
第2章 教育におけるスピリチュアリティ
一九九〇年代以降の北米における議論から
1 「教育におけるスピリチュアリティ」をめぐる議論/2 霊性教育と
宗教教育のちがい/3 霊性と宗教の区別/4 霊性教育の三つの
段階/5 ブロックウッド・パーク、クリシュナムルティ学校/6 霊性
教育の課題
第3章 魂のケア 臨床教育学の創始者としてのソクラテス
1 トーマス・ムーアにおける「魂のケア」/2 魂のはたらき/3 ソク
ラテスにおける「魂のケア」
第4章 慈悲としてのケアリング ケアリングの存在論
ケアリングから慈悲へ
1 ノディングスのケアリング教育論/2 ケアリングの構造/3 ケア
リングの深層心理/4 援助の道/5 仏教カウンセリング
第5章 ホリスティック教育の世界観 多元的現実について
1 「システム論」と「永遠の哲学」/2 ウィルバーの「ホリスティック」
批判/3 吉田敦彦の「いのち」論/4 井筒俊彦の「東洋哲学」/5
ホリスティック教育の多元的現実論
第Ⅱ部 ホリスティック臨床教育学の実践
第6章 身体の変容 ソマティックスの可能性
1 からだとスピリチュアリティをめぐる錯綜した状況/2 からだとス
ピリチュアリティを理解するための図式/3 ソマティックスと霊性修
行
第7章 自覚の技法 オルダス・ハクスレーの教育論
1 自覚の技法とは何か/2 ハクスレーにおける自覚の教育/3 自
覚から覚醒へ
第8章 感情の変容 SEL・バイオエナジェティックス・マインドフルネス
感情教育をとおした非暴力への取り組み
1 社会的・感情的学習/2 バイオエナジェティックス/3 マインド
フルネス瞑想/4 統合的アプローチの必要性
第9章 教育者の自己変容 反省的アプローチと観想的アプローチ
1 ホリスティック教育と教師教育/2 反省的アプローチ/3 観想
的アプローチ/4 観想的アプローチの実際
【著者略歴】
中川 吉晴 (なかがわ・よしはる)
1959年、岡山県倉敷市生まれ。同志社大学大学院博士課程満期退学、トロント大学大学院オンタリオ教育研究所博士課程修了(Ph.D.)。立命館大学文学部教授をへて同志社大学社会学部教授。専門はホリスティック教育。現在、日本トランスパーソナル心理学/ 精神医学会会長、日本ホリスティック教育/ ケア学会副会長。
[著書]『ホリスティック教育講義』(出版館ブック・クラブ)、『気づきのホリスティック・アプローチ』(駿河台出版社)、Education for Awakening: An Eastern Approach to Holistic Education(Foundation for Educational Renewal、改訂版がInformation Age Publishingより刊行予定)、共編『ケアの根源を求めて』(晃洋書房)、共著『進化するマインドフルネス』(創元社)ほか。翻訳、ミラー『魂にみちた教育』(監訳、晃洋書房)、クリシュナムルティ『瞑想』(UNIO)、ローエン『うつと身体』(共訳、春秋社)、カンダ、ファーマン『ソーシャルワークにおけるスピリチュアリティとは何か』(共監訳、ミネルヴァ書房)、ハリファックス『死にゆく人と共にあること』(共訳、春秋社)ほか。